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実習生と父

父の病室に、医学部の5年生が、先生と来た時のこと。先生が、「黄疸の患者さんとして、見せていただいていいですか?」。「どうぞ、どうぞ」と父。先生の後ろで、遠慮がちに立っている学生さんに、父は「せっかくのチャンスなんだから、もっと近くに来て、手の甲をみたり、まぶたをひっくり返してみたり、お腹を触ってみたりしていいんだよ」。先生は、とてもありがたがっていました。きっと、孫の歳と同じくらいで、重なってもいたんだと思います。

そうかと思うと、私の友達のお母さん(91歳)は、「そんな冷たい聴診器を、具合の悪い患者に当てるのか!」と、怒鳴ったそうで・・・なんでも我慢して、いつでも相手のこと考えてくれる父は、助かるけれど、おんなじだけ、せつなくなります。

でも、この話を聞くと、わがままも、人を育てることもあるんだな、とおもいます。動物たちは、毛があるし、何にも言わないけれど、ちょっと、聴診器の先を数秒あたためてから当ててあげようっと。もっともっと、わがまま言ってもいいのにナー、って、父を見ていると思うときが、あります。

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コメント

相手の立場をまず考えて対応する、それが自然の形でできるお父さんの優しいお人柄が分かります。その医学生黄疸の患者を診る度お父さんのことを思うに違いない。最近怒りっぽくなっていた自分が恥ずかしくなった。
私が伺ったとき「お守り二つ持っているから、あなたも大変だから一つ持って行ってください。二人でご利益戴きましょう」とまず、私のことをお気遣いくださった。昨日MRI検査のときもお父さんから頂いたお守りを持っていった。お守りのご利益がお父さんに、そして少し私にもおすそ分けしてもらい奇跡が起こるよう願わずにはいられない。

投稿: 越探偵 | 2006年8月11日 (金) 05時28分

お父さんの優しさが伝わってきますね。私も教育実習に行った時担教師から「君達が帰ったらそこを又やり直すのだから・」と言われ一人前になるには沢山の人に助けられるんだな~と感謝する事も教えられました。それは生涯の宝ものになっています。数年後自分が実習生を担当する立場になり・・優しく・厳しくと。生徒は「授業が遅れる」と言いつつもフレッシュな新人からいろいろ学んでいました。お父さんを診た研修医も沢山の事を勉強した事でしょう。

投稿: 梅 | 2006年8月11日 (金) 06時23分

神の手と言われている医者にも誰にでも「初めて」という時があります。私も4年前放射線治療で入院したときに、可愛らしい(自分の娘より若い)看護学生の担当患者になったことがあります。実習最後の日、退院後の食生活や過ごし方の注意をイラスト入りでまとめてくれたもの(今でも大事に持っています)を渡され、「早く良くなって下さい。ありがとうございました」「こちらこそお世話になりました」と手を取り合って涙したことを思い出しました。今はどこかの病院で一人前の看護師として活躍していることでしょうね。そんな誰かの「初めて」に関わることが出来たことは、私にとっても貴重な体験だったと思っています。医学生さんたち、きっとお父さんから「優しさ」を学んだと思うよ。

投稿: こころ | 2006年8月11日 (金) 07時20分

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